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小児中耳炎


耳鼻咽喉科 菊地 仁

 お子様が、特に注意しておきたい「中耳炎」2つについて、御説明します。 (1)急性(化膿性)中耳炎(きゅうせい(かのうせい)ちゅうじえん) 鼓膜の内側にある「中耳」と呼ばれる場所に、急激に炎症が起きる病気で、おおよそ10歳以下(特に6歳以下)のこどもに掛かりやすい特徴があります。これは鼻の突き当たりに「鼻と中耳と連絡」する「耳管」という空気の通り道があり、お子様は、この耳管が大人に比べて太く、短く、角度も水平に近いため、のどや鼻から細菌が中耳に運ばれ(これを「上行性感染」と言います)、強い炎症を起こすのです。 症状は耳で強い痛みを感じ、難聴感、発熱を伴うこともあります。また「耳だれ」が出てくることも、しばしば認めます。

 

これは、中耳腔(=鼓膜の内側)で炎症性の分泌物が充満し、その内圧に鼓膜が耐えられなくなり、鼓膜の一部に穴が空いて、分泌物が鼓膜より外へ漏出することで起きます。 治療は、抗生物質による薬物治療が主体で、鼻水やのどの炎症があれば、一緒に治療します。中耳内の膿を抜く目的で、鼓膜に専用メスにて小さい孔を開けて(=鼓膜切開)膿を吸引します。

 

炎症が治りきる前に治療を中断すると、滲出性中耳炎に移行することがあります。 2)滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん) 滲出性中耳炎に罹ると、中耳腔(鼓膜の内側)に滲出液(液体)が溜まり、音の聞こえが悪くなります。ふつう、痛みはありません。 急性中耳炎が上手く治りきらずに、滲出性中耳炎に移行したり、お子様の場合は鼻水が耳管を通って直接、中耳腔に溜まってしまうこともあります。さらに耳管の出入り口を「アデノイド」が圧迫することでも起こります。長期間(数ヶ月〜数年)この状態が続くと、将来「慢性中耳炎」へ移行する可能性が高くなりますので、「聞こえが戻った」「治った」と感じても、本当に完治しているか?確認をするために、必ず耳鼻咽喉科を受診しましょう!

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